- 下記をクリックして、各種トラブルの原因と対策について学習しましょう!
トラブル内容:
外周刃の摩耗が激しい
原因
- 切削速度が速すぎる
- 送り速度が過小である
- アップカットで加工した
対策
- 切削速度を適度に遅くする
- 送り速度を適度に上げる
- ダウンカットを検討する
チッピング
原因
- 切削速度が速すぎる
- 送り速度が大きい
- エンドミルの刃先が弱い
- チャックの締付けが不十分
対策
- 切削速度を下げる
- 送り速度を下げる
- チャックの締付けを確実に行う
欠損
原因
- 切削速度が速すぎる
- 送り速度が大きい
- エンドミルの刃先が弱い
- チャックの締付けが弱い
対策
- 切削速度を下げる
- 送り速度を小さくする
- 刃先強度の高いエンドミルを使用する
- チャックの締付けを確実に行う
溶着
原因
- 切削熱による化学反応あるいは被削材の軟化
- 切削速度が低い
対策
- 切削油剤を使用する
- 切削油剤の供給量を増やす
- コーティング材種に変更する
- 切削速度を上げる
熱亀裂
原因
- 温度の上昇と冷却の繰り返し
- 湿式切削を行った
対策
- エアブローにする
原因
- 温度の上昇と冷却の繰り返し
- 不十分な湿式切削
対策
- 切削油剤の供給量を増やす
- 切削速度を下げる
- 靱性の高い材料に変更する
ビビリの発生
原因
- 切削速度と送り速度の条件が不適当
- 被削材の取付け剛性が不足
対策
- 切削速度と送り速度を変える
- 突出し長さを必要最低限にする
- 被削材のクランプ剛性を上げる
- 心厚の大きいエンドミルに変更する
- 不等リードエンドミルを使用する
折損
原因
- 送り速度が大きい
- エンドミルの剛性が低い
- 必要以上に突出しが長い
- 切込みが大きすぎる
対策
- 送り速度を下げる
- 剛性のあるエンドミルに変更する
- 突出し長さを最低限にする
- 切込みを小さくする
仕上げ面が悪い
原因
- 工具の振れが大きい
- 送り速度が大きい
- ピックフィードが大きい
- 切りくずの排出が悪い
対策
- 振れを小さくする
- 送りを下げる
- ピックフィードを小さくする
- エアブローを使用する
- 切削油剤の量を増やす
壁面のたおれが大きい
原因
- 切込みが大きすぎる
- 送り速度が大きすぎる
- ねじれ角が大きすぎる
対策
- 切込みを小さくする
- 送り速度を下げる
- ねじれ角の小さいエンドミルを使用する
切りくず詰まり
原因
- 切りくずポケットが小さすぎる.
- 切込みが大きすぎる
対策
- 切りくずポケットの広い工具にする
- 切込みを小さくする
- ラフィングエンドミルを使う
- ニック付エンドミルを使う
伸びた切りくずが工具に絡まる(縦送り時)
原因
- 送り速度が過小である
- 被削性が悪い
対策
- 送り速度を上げる
- ステップ加工を行う
バリの発生
原因
- 送り速度が大きい
- 切込みが大きい
- エンドミルの境界摩耗が大きい
対策
- 送り速度を下げる
- 切込みを小さくする
- 工具を交換するか再研削する
コバ欠け
原因
- アップカットを行った(赤矢印の方向に刃先が抜ける場合)
- 送り速度が大きすぎる
- 切込みが大きすぎる
対策
- ダウンカットで行う(青矢印の方向に刃先を進行させる)
- 送り速度を下げる
- 切込みを小さくする
原因
- アップカットを行った
- 送り速度が大きい
- 切込みが大きい
対策
- ダウンカットで行う
- 送り速度を下げる
- 切込み量を小さくする
この図は、アップカット時に生じるコバ欠けの様子を表しています。アップカットでは、切れ刃が切込み量0で食い込み、徐々に厚くなり、最大になったところで被削材から抜けます。この切れ刃が抜ける力の方向によってコバ欠けが生じやすくなります。
原因
- アップカットで行った
対策
- ダウンカットで行う
ダウンカットに変更すると、コバ欠けが発生しやすい部分では刃先が食い付き側になるため、力の方向が逆になり、コバ欠けを防ぐことができます。
x