刃長と突出し長さ
通常、エンドミルの刃長は加工部の長さより少し長くしなければなりませんが、必要以上に長くすることは得策ではありません。なぜなら刃長が長くなれば突出し長さも長くする必要があり、剛性に関しては不利に働くようになるからです。突出し長さはたわみに影響する重要な要因なので、刃長に関してここで説明します。
突出し長さ
エンドミルを使用する際に設定する突出し長さは、エンドミルの剛性に影響を与えます。
エンドミルのたわみ量は前章で示した式から突出し長さの3乗に比例します。
すなわち突出し長さが少し長くなるだけでも、たわみは想像以上に大きくなります。たとえば外径が同じで突出し長さが2倍になるとたわみは8倍になります。(右図)具体例で計算してみますと、ハイスエンドミルによる加工面のたおれが約0.2mmだったときに、突出し長さを2倍にすると切削荷重が同じであればたわみ量は、0.2mmx8=1.6mmと非常に大きな加工面のたおれが発生することが分かります。
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Y2 = 8Y1
Y1, Y2: 丸棒のたわみ
W : 丸棒にかかる荷重
刃長による工具寿命の影響
右図は軸方向の切込み量を同じにして溝切削を行った場合の刃長の違いによる折損寿命を比較したものです。
このように切込み量が同じでも、突出し長さが長くなるとたわみ量が増えて、より不安定になるため、工具寿命は短くなります。
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