切削速度
工具は一般に、切削速度を上げると切削温度が上昇するため工具摩耗が進行して工具寿命が短くなり、切削速度を下げると切削温度が下がるため工具摩耗の進行が遅くなり工具寿命が長くなります。
エンドミルについてもこの関係が成立し、工具寿命と加工能率のバランスの良いところで切削速度を設定します。
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ボールエンドミルの切削速度
ソリッドボールエンドミルの切削速度の設定はソリッドスクエアエンドミルで考慮した被削材、工具材種、外径(ボール半径)の他に切込み量すなわち荒加工と仕上げ加工を区別して設定します。
また通常、切込み量がボール半径より少ないため下図に示すように切削速度が最大となる位置が、軸方向の切込み量と傾斜面の角度により変化します。
最大切削速度は、水平面では式 (1) 、傾斜面では (2) となります。
傾斜面の切削
下図に示すように傾斜面では傾斜角が大きい場合は切削速度が最大となる位置が外周部に近いので回転速度と送り速度をあまり上げられませんが、傾斜角が小さい場合は切削位置が中心付近にくるので回転速度を上げる必要があります。送り速度に関しては加工能率を考慮して上げることも可能です。
刃先交換式ボールエンドミルの切削速度の設定は、刃先交換式スクエアエンドミルで考慮したインサート材種と被削材に応じて設定しますが、この他に加工形態や外径を考慮して設定するものがあります。
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