ソリッドエンドミルの切込み量は加工形態、被削材および切れ刃形状により適切に設定する必要があります。
ソリッドエンドミルの切込み量は、外径やボール半径に一定の係数をかけたものに設定します。その例として2枚刃コーテッド超硬スクエアエンドミルの切込み基準を右図に示します。被削材が硬くなると切込み量を減らします。
刃数
刃数が増えると切込み量を小さくする必要があり、6枚刃の例を右図に示します。
ラフィングエンドミル
ラフィングエンドミルの切込み基準は、普通刃エンドミルより大きくできます。これは切れ刃が波状であるため切りくずが小さく分断され、切削抵抗が減少するからです。中仕上げ刃エンドミルも同様の理由で切込みを大きく設定できます。
右図に示すように普通刃の切込み量はae=0.05~0.2D1ですが、中仕上げ刃(ニック付き刃)の切り込み量は、ae=0.5D1に設定できます。切れ刃のニックにより、切りくずを細かく分断し、切削抵抗を低く抑えることができます。
超硬ラフィングエンドミルの例を右図に示します。通常、ラフィングエンドミルの場合、工具材料はハイスが良く使用されます。
ボールエンドミル
ボールエンドミルでも被削材が硬くなると切込み量を少なくする必要があります。
切込み基準より大きい切込みで切削する場合は、送り速度を下げると可能になります。
溝加工
右図に溝加工の場合の切込み量を示します。
普通刃の場合はap= 0.05~0.2D1、中仕上げ刃とラフィング刃の場合はap=1D1以下となります。
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