エンドミルによる加工は断続切削です。断続切削で切削油剤を使用すると、切りくず生成時に高温となった刃先が急冷されるため熱亀裂が発生しやすくなります。したがって、炭素鋼、合金鋼、プリハードン鋼および焼入れ鋼を切削するときはエアブローを用います。
右記グラフは、炭素鋼を乾式、エアブローおよび水溶性切削油剤の3条件で切削したときの工具摩耗を示したものです。エアブローによるときが最も摩耗が少なく
次が乾式であり、水溶性切削油剤の場合異常摩耗が発生しています。エアブローの効果は冷却効果だけではなく、切りくずのかみ込みを防ぎ、偶発的なチッピングを防止する効果があると考えられます。
ステンレス鋼や耐熱鋼、またはNi基耐熱合金、Ti合金などの難削材を切削するときは、断続切削であっても発生する熱が多いので冷却して溶着や刃先の軟化を防ぐために切削油剤を使用します。