コーナ摩耗と境界摩耗は大きくなり、一般に工具寿命を決めます。 境界摩耗が大きくなるのは、切れ刃の発熱部と空気の境界は酸化しやすいためであり、コーナ摩耗が大きくなるのは、外周刃と底刃の2方向からの切削負荷を受けるためです。底刃摩耗は底刃にすかし角があるため、外周部から中心部に向かって小さくなります。すくい面摩耗は外周すくい角(ラジアルレーキ角)を小さくして切れ味を悪くしますが、境界摩耗やコーナ摩耗に比べるとクレータ深さが浅いため工具寿命に与える影響は小さくなります。
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ソリッドスクエアエンドミルの工具摩耗は、コーナ摩耗、外周刃摩耗、境界摩耗、底刃摩耗およびすくい面摩耗があり、右図にその形態を示します。
切れ刃の損傷
ソリッドボールエンドミルでも工具摩耗が発生します。この他に硬度の低い被削材では底刃の中心部に図(a)に示す摩耗が現れます。これは中心部の切削速度がゼロであるため、切れ刃として作用せず被削材に被削材を押しつぶす作用が働くためです。さらに切削を続けると、押しつぶす作用により溶着が起きたと考えられる(b)のような摩耗が現れます。
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