溝の断面形状は切りくずの流れを決めるものとして重要です。
右図(a)は汎用の溝断面形状であり、最も深い溝底Aの隣のヒール部*Bが凸形状であるため、4枚刃のようにチップポケットが小さい場合は切りくずの流れが悪くなります。(b)は切りくず排出性に優れた断面形状の一例で、盛り上がったヒール部Bが無く凹形状であるため、切りくずの流れがスムースになり、切りくず離れが良くなります。
特に溝切削の高能率加工に有効です。
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リブ用エンドミル断面形状
下右図はリブ*用エンドミルの溝断面形状で、 (a) は汎用の形状 (b) は特殊八角形です。エンドミルによるリブ溝加工は、細くて長いエンドミルを使用するため、エンドミルがたわみやすくビビリが発生しやすくなり、良好な仕上げ面が得られにくい傾向があります。良好な仕上げ面を得ようとすれば、エンドミル剛性を高めるため心厚を確保する必要があります。
また接触長さを減らしてビビリ振動を抑制するために、ねじれ角を小さくする必要もあります。これらの用件を満たす形状の一つが(b)の特殊八角形断面です。そのエンドミルで加工するとビビリ振動が少なくなり、下図に示すように仕上げ面あらさが良くなります。
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