工具材種編
高速度工具鋼 高速度工具鋼 高速度工具鋼の始まりは、1861年に英国のマシュトが発明した1.5~2.0%Cの高炭素マンガンタングステン(C-Mn-W)鋼です。1988年、米国のテラーとホワイトが1%Cの高炭素タングステンクロム(C-W-Cr)鋼を溶融開始温度近くの高温度から焼入れて、これを焼き戻すことにより高い高温かたさを得ることに成功しました。この高C-W-Cr鋼が、鋼の熱処理に一大革命をもたらした切削工具鋼の代表的な鋼です。高速度工具鋼はその後およそ80年間切削工具の王座を保ち、現在でも切削工具のほぼ1/3を占めており、より切削性能の優れた新しい鋼種が開発されています。