工具材種編

用語解説

再結晶温度

固体中から新たな結晶ができる反応が起こる温度。別の結晶ができる析出だけでなく、同じ結晶が再構築される場合もある。

 

座屈

細長い棒などで、縦方向に圧力を加えていったとき、圧力がある限界値に達すると、急に横方向に湾曲が起こる現象。

 

残留オーステナイト

本来高温領域でのみ存在するオーステナイトが、ある範囲の冷却速度で冷却されることによって、常温でも残っている組織。

 

残留応力

外力を受けていない状態で、物体の内部に残っている変形への抵抗力。

 

自硬性

焼入れ温度から空気中で冷却する程度でも、容易にマルテンサイトを生じて硬化する性質。

 

準安定相

冷却速度の変化や触媒等を使用することで得られる見かけ上は安定して存在する相。徐冷によって得られる最も安定した組織では見られない。

 

スタブドリル

L/Dが2~3のドリル

 

スパイラル長さ

ねじれ角に沿った溝の長さを言い、溝長と使い分けている。

 

スラスト

ドリル加工時に送り方向に働く力

 

スリーレーキ形状

二番逃げ面、三番逃げ面、シンニング面を研削することから由来するとされる。

 

制御界面

ダイヤモンドコーティング膜の密着性を高めるために超硬表面を制御した面。

 

生成自由エネルギ

物質を構成している元素から、その物質を生成するのに必要なエネルギ

 

脆性磨耗

物質を構成する細かい粒子の脱落が累積することで、巨視眼的に摩耗しているように見える状態。

 

析出

物体中に溶けている成分が別の結晶として分離すること。固体中からでも液体中からでも別の結晶が出来ることを析出と呼ぶが、液体から結晶ができる場合を特に晶出ともいう。

 

絶縁物

電気を通さない物質。

 

絶対温度

→K(ケルヴィン)の項参照

 

セッティングフィクスチャ

刃先基準カッタの正面の振れだしを精度よく行なうための機器。

 

ゼロカット

仕上げ加工時、加工プログラム上、切込みのない状態で切削を行うこと。実際の加工では、工具や保持具、工作機械などがわずかにたわみ、プログラムの寸法指示どおりに削られず、削り残しが発生する。そこで、切込みをゼロにして、同じ部分を2 回、または3回程度加工し、削り残しを取り除くことが行われる。これをゼロカットと呼ぶ。

 

センタドリル

センタ穴加工用に使用するドリル

 

せん断角

せん断が生じている面の角度。 ※せん断:物体内部の面にそって面の両側に同じ大きさの反対向きの力が加わって物体内部でずれが生じること。

 

せん断面

せん断が生じている面。

 

せん断力

せん断を生じさせる力。

 

走査線

走査線加工のことでエンドミルが上下に動く加工のこと

 

塑性変形

固体に外力を加えて変形させたとき、外力を取り除いても歪みがそのまま残る現象。外力が取り除かれると歪みが元の状態に戻る変形は弾性変形という。

 

弾性変形

外力が取り除かれたときに元に戻る物質の変形。⇔塑性変形

 

断面2次モーメント

はりのたわみにくさを示す係数。はりの断面形状と寸法により異なった値となる。

 

チゼルの偏心

ツイストドリルを180°回転させた時の、チゼルエッジのかたより

 

中仕上げ刃

外周刃に切りくずを分割するための溝(ニック)を付けたもので、仕上げ面あらさをあまり必要としない部分の仕上げ(最大高さRz12.5s程度)に使用する。ラフィング刃より切削抵抗が大きいが普通刃よりは小さい。

 

ツイストドリル

溝が軸に対し右ねじれ、または左ねじれになっているドリル

 

テーパ穴

円錐状の穴。

 

電気伝導性

物質の電気の伝えやすさ。一般には電気抵抗の高低を示す。

 

等高線

等高線加工のことで水平面内で形状加工を行いそれを順次上下方向に連ねる加工のこと

 

同心度

指定された位置における二つの円の中心のずれ具合。

 

同組成変態

含有成分を変えずに結晶形態を変える変態。

 

動力(切削動力)

切削加工時における、工作機械の主軸の出力。

 

通し穴

両端面が開いている穴。

 

トルク

加工時に回転方向に働く力

 

トロコイド

円が1つの曲線または直線上を転がるとき、円の半径上の1点、またはその延長線上の1点が描く曲線。