アップカットとダウンカットのどちらの切削方式を選ぶかは、工作機械とフェースミーリングカッタの諸条件によって決まりますが、工具寿命の点からは一般的にダウンカットが有利といわれています。
アップカットとダウンカットの摩耗比較
アップカットとダウンカットの特徴
アップカットの場合、フェースミーリングカッタの刃先が、被削材に切り取り量0(接触点)から食い込み、最初表面を引っかきながら進行し、ある点に到達すると実際に切削が開始されます。この部分をこすり部分といい、逃げ面から受ける力が急激に増大し、刃先にはこすりによる逃げ面摩耗が生じます。
バックラッシ
一方ダウンカットの場合、刃先の食い込み時が最大の切りくず厚みとなるために、刃物の弱点であるこすり現象は少なくなります。ただし刃先が非常に鋭かったり、工具材料がもろい材種だったりすると、欠けの原因になります。また、工作機械の送り装置にバックラッシ(遊び)があると、被削材が引き込まれ、過大な送りとなって工具損傷の原因になるので注意が必要です。
x