縦壁制度
肩削りを行った場合の縦壁精度(垂直面の仕上げ面粗さ)は、切れ刃形状と諸角度に大きく影響を受けます。
理論的には、フェースミーリングカッタのアキシャルレーキ角が0°なら、完全に垂直に仕上がるはずです。しかし実際には、切れ味の向上や食い付き時の衝撃緩和のため、アキシャルレーキ角を付けることがほとんどです。この場合は理論上、縦壁は完全に垂直には仕上がりません。
その理由を右図で説明致します。
振れ精度
フェースミーリングカッタに複数のインサートをセットすると、取付け位置に微妙なずれが生じます。このずれを切れ刃振れ精度といい、仕上げ面あらさと工具寿命に悪影響を与えます。
振れが大きいと仕上げ面が悪くなるほか、ビビリ振動が発生してチッピングが起きやすくなります。また突き出している刃は他の刃に比べ摩耗が早く進行します。
右図にさらい刃の振れと仕上げ面の関係を示します。さらい刃幅は1.4mmが標準であるため、フェースミーリングカッタの正面と完全に平行にセットされていれば、理論的には若干の切れ刃振れがあっても仕上げ面あらさは維持されるはずです。しかし実際には振れによる凹凸の他に、さらい刃が傾いてセットされたり、カッタ本体と部品の組み合わせ精度、切れ刃の溶着、ビビリ振動などの問題から、仕上げ面がある程度荒れるのは避けられません。そこでワイパーインサートや、仕上げ専用のカッタが求められます。たとえばアルミ仕上げ用カッタには振れ調整機構が組み込まれているものがあります。図に示す調整ねじを回すことによって切れ刃が正面方向に移動します。
また刃先基準といってカッタボディのインサート拘束面が1面しかなく、ユーザにはセッティングフィクスチャ*を使用して民意の位置にインサートを固定できるフェースミーリングカッタもあります。
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