右図で、フェースミーリングカッタの葉先が被削材に食い付くときの角度(E)をエンゲージ角(食い付き角)といい、刃先が被削材から離れるときの角度(DE)をディスエンゲージ角(離脱角)といいます。エンゲージ角とディスエンゲージ角は、切削の開始時と終了時に刃先のかかる衝撃の大きさを決める要素で、工具寿命に関係があるため慎重に決定する必要があります。
エンゲージ角の影響
ある被削材に対し、フェースミーリングカッタの径およびオフセット量(被削材とカッタの位置関係)を決めると、エンゲージ角とディスエンゲージ角が決まります。下図左のフェースミーリングカッタのエンゲージ角EAと、右のフェースミーリングカッタのエンゲージ角EBとでは、EA>EBとなります。
エンゲージ角が大きすぎると、下図左のように切れ刃が被削材に食い付く部分では切りくずの厚さが1刃あたりの送りよりも薄くなり、被削材が弾性変形しやすくなります。このため刃先が大きな力を受け、チッピングにつながります。また、エンゲージ角が小さすぎても食い付き時の衝撃が大きくなるため、同様にチッピングの原因となります。
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