被削材応用編

P系列の被削材

ISOで定められた被削材分類記号のP系列に軟鋼と一般鋼が含まれます。材料の被削性によって決められた被削材分類記号ですが、軟鋼と一般鋼の被削性は、流れ形の切りくずが出ること以外はかなり違います。

 

P系列の被削材と被削性

軟鋼は、切りくずが延びやすく仕上げ面を傷つける恐れがあり、また名前の通り軟らかいので刃先に溶着を生じやすいのですが、切削抵抗はそれほど大きくありませんので、切りくず処理や耐溶着性を第一に考えて工具を選定する必要があります。

 

それに対して一般的な鋼は、切りくずの処理はさほど面倒ではなく、工具寿命や加工能率に主眼を置いた工具選定ができます。

鋼は含有炭素量が多くなればなるほど熱処理性が増し、硬く、ネバくなります。このような高炭素鋼と呼ばれる鋼は、切削に関する高い熱が出ますので、熱に強い工具材料が必要です。逆に低炭素鋼は、軟鋼と同様に切りくず処理や溶着が問題になります。

P系列の加工例:鋼の歯車