ターニング応用編
切りくず処理 切りくず処理の必要性 切削加工は、被削材の不要部分を削り取って必要な形状・寸法に仕上げることですから、必ず切りくずが生成されます。加工の副産物である切りくずは、切削の研究者にとっては研究・診断の貴重な資料ですが、生産技術者にとっては生産性向上を妨げるやっかいな代物です。 工作機械が進歩し、優秀なロボットや搬送システムが開発され、近年はFA(ファクトリ・オートメーション)化に代表される生産システム自動化の動きがきわめて活発です。生産システムの自動化を実現させるためには、加工工程におけるトラブルは許されません。それには、ツーリング技術の向上や信頼性の高い工具の使用と同様に、切りくず処理が効果的に行わなければなりません。 切りくずのコントロールが不十分で、切りくずが長く延び、被削材や工具にからみついたり、コントロールされすぎて切りくずの飛散が激しく、ビビリ振動が発生したりすると、工具の損傷や製品の品質低下を招きます。またビビリ振動が工作機械の精度劣化の要因にもなります。このように切りくず処理の良否は、高能率加工、高精度加工、製品の品質管理、工作機械の精度保持、作業者の安全確保など生産性全般に大きな影響を及ぼします。 - 以下のリンクをクリックすると、切りくず処理が生産性に及ぼす影響をチャートでご覧になれます。 代表的なチップブレーカ 研ぎ付けブレーカ - 切れ味に優れる - 仕上げ面が良好
モールデットブレーカ - 最近の主流 - 安価 - 切りくず処理範囲が広い 切りくず処理は、チップブレーカによるコントロールが最も容易かつ有効なので、より効果域の広いチップブレーカ形状を求めて研究・開発が続けられています。