インサート形状

「インサート」とはバイトやミーリングなどの切削工具に取り付ける刃先のことを言います。

インサートはISOに基づき、JISCISおよびANSIで形状・精度・寸法の呼び記号が決まっています。

 

 

四角形

三角形

80°菱形

55°菱形

35°菱形

80°トリゴン

円形

四角インサート

片面4切れ刃あり、ネガティブターニングインサートだと8切れ刃になり、もっとも経済的なインサート形状です。切れ刃先端角90°と強度がありますが、横切れ刃角をつけて使用しなければならず直角の仕上がり加工が難しくなります。

 

三角インサート

片面3切れ刃で四角インサートに比べると切れ刃数が少なくなりますが、直角の切削や倣い加工の場合有利です。切れ刃先端角は60°となりますので四角インサートに比べると強度的には若干劣ります。

80° 菱形インサート

長手方向の加工と端面インフィード加工ができるため、CNC旋盤に多く使用されています。

55° 菱形インサート

倣い加工用のインサートです。刃先の先端強度は若干落ちますが、複雑な倣い加工には欠かせない形状です。55°を選ぶか35°を選ぶかは加工物の形状によって決定します。

35° 菱形インサート

倣い加工用のインサートです。刃先の先端強度は若干落ちますが、複雑な倣い加工には欠かせない形状です。55°を選ぶか35°を選ぶかは加工物の形状によって決定します。

80°トリゴンインサート

片面3切れ刃あり、ネガティブインサートだと6切れ刃になります。

 

切れ刃先端角は80°で強度もありますが、切れ刃の長さは80°菱形インサートに比べ短くなります。

円形インサート

刃先強度が最もあり、良好な仕上げ面を得るには最適ですが、切れ刃長が長いため切りくず幅が広くなり、切りくずの破断が難しくなります。また抵抗が大きいので、細物や薄物の加工ではビビリ振動が発生しやすいという欠点があります。したがって断続切削や黒皮切削などの刃先強度の必要な加工や、鋳鉄などの切りくずが長く繋がらない加工には最適です。