鉄は、金属の代表的存在になっています。一般に金属材料として、最も幅広く使われているのが鉄だからです。たとえば、アルミニウムや銅でできた製品でも、金属製のものであれば「鉄」と間違って呼ばれることがあるほどです。
それほど広く一般的に浸透している「鉄」という材料ですが、実は純粋な「鉄」が、素材として使われることはほとんどありません。一般に「鉄」と呼ばれる材料は、少量の炭素を含んだ合金、「鋼」や「鋳鉄」のことを指しています。JIS規格でも、「鉄」という文字がついているのはこの「鋳鉄」と「電磁軟鉄」くらいで、あとはほとんど「○○鋼」と呼ばれています。