切削とは
「切削」とは、どういうことをいうのでしょうか。その具体的なイメージは、リンゴの皮をむくときやカンナで木を削るときを思い浮かべると分かりやすいでしょう。リンゴや木を切ったり削ったりして物を希望のかたちに変えていくとき、皮や切りくずなどの「くず」が出てきます。
すなわち、切削とは「材料を刃物で切り分けて、物のかたちを変えていく」加工のことです。このとき、切られたり削られたりする材料(以下、被削材という)と刃物(以下、切削工具という)とは激しくぶつかり合い、こすり合っています。
被削材をうまく切るには、切削工具が被削材よりも硬いことが大原則になります。通常、切削工具には、被削材の3倍以上のかたさが必要だといわれています。
- リンクをクリックしてさらに学習しましょう!
切れ刃の作用
下のアニメーションは加工時の切れ刃と被削材の様子を示しています。
切削工具と金属が速い速度でぶつかり合い、こすりあわされることによって、金属が少しずつ削り取られていきます。このとき金属の本体からは、切削工具によって切り取られた金属が「切りくず」となって発生します。
金属を切削するとき、切削工具の先端(刃先)には大きな衝撃が加わり、同時に大変な高熱が発生します。 ぶつかり合い・こすりあう速度が速ければ速いほど、衝撃は大きくなり、発生する熱は800℃以上になることもあります。
切削工具にはこの衝撃と高熱に耐え、しかもかたさを失わないことが求められます。その材料には「高速度工具鋼*と超硬合金*」が広く使用されていて、この超硬合金は、現代の切削工具材料の主役といえます。
x