加工の課題

端面・前挽き・後挽きといった外径加工には、仕上げ面や寸法精度に影響する様々な不安定要因があります。
小物高精度部品の加工では、これらの不安定要因の改善が求められるため、外径加工のポイントを以下に示します。

溶着

小径ワークの加工は、回転速度を上げても切削速度が高くならないため溶着が発生しやすくなります。
刃先に溶着が発生すると面粗度が悪化し、仕上げ面も白濁します。また、溶着物が堆積すると切れ刃に構成刃先ができます。
構成刃先は、それ自体が切れ刃となって切削を行うため、その分本来の切込み量より深切込みとなり寸法精度に影響を与えます。

 溶着

切りくず処理

切りくずの噛み込みによる刃先のチッピングや切りくず擦過により加工寸法精度が悪くなります。

対策

溶着(構成刃先)

溶着(構成刃先)を防ぐには、切りくずが刃先に体積せずスムーズに流れる工夫が必要です。
そのためには、すくい面の摩擦を少なくすることが重要となりますので、平滑処理を施したコーテッドインサートやすくい面が鏡面仕上げされているインサートを使用して下さい。

●平滑なコーティング膜

●すくい面を鏡面仕上げ
すくい面を鏡面仕上げすることで対溶着性を向上

切りくずとインサートの摩擦を少なくする

切りくず処理

つば裏の後挽き加工では、研削ブレーカではなく、モールデットタイプのSMBブレーカの使用をお勧めします。
つば裏への切りくずの進入を防ぐ独自形状が施されており、切りくずの噛み込みや擦過を防ぎます。

切りくず処理