加工の課題

突切り加工は、狙い形状へ加工後、部品として必要な部分だけ切り落とす加工です。切断時のワークの無駄(切断代)を無くすため、幅の狭いインサートを選定してください。
切断時、中実材は加工した部品の後端に「へそ残り」やワーク中心部の白濁など発生し、中空材はインサート形状とコーナRサイズが合わないことにより内径部にバリが発生するため対策が必要です。

対策

へそ残り

切れ刃がワーク中心部まで届くように、刃先高さはやや芯高設定してください。切断時は、ワーク中心部を通過するところまで加工することで「へそ残り」を小さくすることができます。
送り速度は、ワーク中心付近で落とすことでワークに掛かる力を減らすことができるため、へそ残りを小さくすることができます。

インサートの選択は、勝手付きを選択することで加工後の希望形状に残るへそ残りを減らすことができます。
勝手付きのインサート使用時は、鋭角のコーナ側が切り落とす製品側に位置するよう設置してください。

へそ残り

内径バリ

切れ味の良い刃先で切削することで、バリの発生を抑制できます。
コーナRが小さく、勝手角度が大きいインサートを選択してください。

内径バリ

仕上げ面の白濁(中心付近)

切削速度は中心部に近づくほど低くなります。そのため、刃先に溶着が発生しやすくなり、仕上げ面の白濁が発生します。
加工中の切削速度が一定になるよう、中心部に向けて徐々に回転率を上げる一方で、送りを落としてください。
中心部の白濁原因の溶着は切削速度だけでは調整できませんので、溶着しにくい材種を選択することで、対処可能です。