MC5100 シリーズ
鋳鉄旋削加工用CVDコーテッド超硬材種
鋳鉄の幅広い加工領域を徹底追及、高速から強断続まで幅広く対応
鋳鉄旋削加工に適した材種、選択したのはコンセプトの違うシリーズ
製造方法からさまざまな形を可能にする鋳鉄。普通鋳鉄では亀裂形(破砕形)の切りくずが生成されるのに対して、引張り強さが大きいダクタイル鋳鉄では流れ形(連続形)の切りくずが発生します。
切りくずが変わることで、インサートへの損傷も異なります。
複雑形状による連続加工から断続・強断続加工の変化もあり、鋳鉄旋削加工用材種は、それぞれコンセプトの違う材種をシリーズ化しました。
鋳鉄にみる切りくず形態
特長
"Super" ナノテクスチャーテクノロジー
従来のナノテクスチャーテクノロジーをさらに改良することで、業界最高レベルの結晶方位制御Al2O3を実現しました。より緻密かつ均一に結晶を成長させることにより、耐摩耗性が飛躍的に向上し、寿命改善につながります。
ダクタイル鋳鉄にGripコンビネーション
Gripコンビネーションがコーティング層の密着をこれまでの1.3倍に高め、ダクタイル鋳鉄の旋削加工での剥離トラブルを抑制します。
開発メモ
普通鋳鉄は高速(500-1000m/min)で加工される傾向にあり、耐摩耗性を確保するには、いかにAl2O3の厚膜コーティングをより強固な組織にするかが重要となり、緻密で均一な結晶の実現に注力しました。また、コーティングの中間層も改良を加え、従来品よりさらに硬い母材を使用しているにも関わらず、優れた断続性能となるようコーティングを調整しました。 ダクタイル鋳鉄は比較的低速(100-300m/min)で加工され、TiCNの方が硬さに優れるため、TiCNを厚膜化し耐摩耗性を向上させました。 断続性能向上には、被膜のチッピングを抑制することが重要ですが、新技術の手掛かりがなかなか掴めず苦労しました。新製品ではこれまでの技術に加え、更に母材と被膜の境界面での強度を上げるための新たな密着層形成技術を確立しました。 MC5100シリーズは、それぞれの鋳鉄旋削加工に最適な材種をアップグレードしましたので、是非お客様の必須工具としてお使いいただけるかと思います。
普通鋳鉄高速切削領域対応 MC5105
さらに硬く、圧倒的な耐摩耗性
FC300 切削速度1000m/min での耐摩耗性比較
ダクタイル鋳鉄第一推奨材種 MC5115
衝撃に耐え、優れた耐久性
FCD700 連続切削での耐摩耗性比較
ダクタイル鋳鉄強断続切削領域対応 MC5125
欠損に強く、優れた安定性
FCD700 断続切削10pass の耐欠損性比較
MC5100シリーズの選択方法
普通鋳鉄
普通鋳鉄は高速切削領域においてMC5105が第一推奨です。
欠損、摩耗の対策はブレーカ選択で行ってください。
切削速度100-300m/min 不安定切削状態においてはMC5115も選択肢となります。
ダクタイル鋳鉄
ダクタイル鋳鉄は高強度ダクタイル鋳鉄も含めMC5115が第一推奨です。
欠損、摩耗の対策はブレーカ選択で行ってください。
強断続加工、不安定切削ではMC5125が効果を発揮します。
パンフレットの裏面下の年月付の最新情報です。最新情報については総合カタログ及びWebカタログをご参照ください。
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