Chemical Analysis Department and Materials Characterization Department

林部 豊  梯 伸一郎*

Yutaka HAYASHIBE  Shinichiro KAKEHASHI

1. はじめに
 三菱マテリアル株式会社中央研究所の分析関連部門は,三菱マテリアルグループ全体の材料開発・製造プロセス管理・品質管理保証に関する分析評価需要に対応可能な技術の総本山として,依頼分析,分析評価技術に関する委託研究/共同研究の実行,開発段階や製造工程に踏み込んだ分析評価を実践する,グループの基盤技術の一翼を担う組織として活動して来ております。2007年4月には中央研究所再編の一環として,現在の「分析評価研究部」 (埼玉県さいたま市)と「材料解析研究部」(茨城県那珂市)の組織構成としています。

 当社における化学分析の歴史は古く,研究所設立(大正6年,東京大井町に創設)と同時に始まり幾多の成果を残してきました。古典的な分析法を技術伝承して高精度・高精密な分析法を実行するとともに,超微量分析に優れた技術を有するとの評価を頂いております。一方,物理分析は昭和44年に当時の中央研究所内に創設された材料試験室に始まり,その後時代のニーズに応じた設備増強を実施しております。開設当時より引張り破断面をEPMAで解析して材料開発にフィードバックするという視点で業務を開始したと聞いており,“開発段階に踏込んだ分析評価の実践”は伝統として受け継がれてきた綱領の一つとも言えるでしょう。

 現在,分析評価研究部では,化学分析を主体としてバルク元素組成分析の高速化,極微量不純物分析技術の開発,分析の自動化などを,また材料解析研究部では,物理分析を主体とし極微小領域,及び材料各種界面の構造,組成,化学状態分析,加えて上記解析を可能にする観察試料の微細加工技術などを応用して各種の分析評価/解析に取り組んでいます。

* 中央研究所 材料解析研究部長

ものづくり・R&Dレビュー 第 1 号(2012)掲載

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