四方 惟武希

 エンドミル加工は、複数の切れ刃による断続加工であり、切込み量に応じた長さの切りくずが生成される。生成される切りくずは適切に排出されなければ、製造現場において問題となることがある。加工中に適切に切りくずを排出できなければ、工具損傷を引き起こしたり、加工面を悪化させたり、切りくずを除去するために追加作業が必要になることもある。切りくずを通常のエンドミルよりも短くするための工具として、波状の切れ刃を有するラフィングエンドミルが挙げられる。ラフィングエンドミルは波状の外周切れ刃により、細かい切りくずを生成することが可能で、同時に加工時の切削抵抗を減少させることができる。しかし、加工面品位は通常のエンドミルと比較すると劣位となり、主に荒加工に用いられる。切りくず排出性、加工面粗さ、高能率加工を同時に達成する工具への要求は高く、各工具メーカーで開発が進められ商品化されてきた。本稿では、さまざまな形状技術を盛り込み製造現場の要望に対応した超硬ソリッドエンドミルを紹介する。

機械技術(2023年 9月号)掲載

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