佐藤 佑哉

 全世界に混乱をもたらしたCOVID-19の影響により、2020年以降は人の往来に制限が加えられ、航空機の需要も急速に減少した。そのため、航空機製造に関わるメーカーはそれまでの計画を大幅に見直さざるを得ない状況となった。しかしながら、それらの影響もここにきて変化してきており、旅客機や貨物機の離発着数がようやく増加に転じている。航空機での輸送に回復の兆しが見えてきたことから、これまで減少していた航空機の需要も好転することが予想されている。

 航空機部品において難削材とされる超耐熱合金が適用された部品製造は、常に高い品質レベルが求められる。とりわけドリルによる穴あけ加工は、工具折損などの不具合が生じると、リカバリーの対応に多大なコストを要する。そのため、加工の安定性が必要不可欠な一方、製造コスト低減のため高能率化に対するニーズも高く、その両者を高いレベルで両立する製品が求められている。

機械技術(2023年 6月号)掲載

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