宮下 大

 近年、自動盤での小物高精度部品加工の市場は、自動車部品や医療機器、半導体関連装置の需要増大や要求精度の高度化に伴い注目が集まっている。さまざまな産業で広く使用されているため、加工される形状や被削材なども多岐にわたっている。被削材によって工具の損傷メカニズムが異なるため、それぞれのアプリケーションに適した工具が必要となる。また自動盤加工の特徴として、低速、低送りでの加工となることや、非常に高い精度が必要とされることなどが挙げられ、通常の旋盤加工と異なる点も多い。そこでこれらのニーズに対応すべく、被削材および加工条件ごとの専用材種を提案している(図1)。

○純鉄、炭素鋼加工用材種「MS6015」
○ステンレス鋼、難削材加工用材種「MS9025」
○低送り加工用材種「MS7025」

 本稿では上記3 材種の特徴と加工事例について紹介する。

機械技術(2023年 2月号)掲載

つづきはPDFファイルをご覧ください