佐藤 晃

 近年、医療部品はもとより自動車部品のダウンサイジング化に伴い、細穴加工の需要は増加している。それらの部品形状は小型化かつ複雑化したことで、製品剛性、製品肉厚を確保することが難しくなってきている。また、製品の耐久性向上・軽量化を目的として、ステンレス鋼やチタン合金などの難削材と呼ばれる被削材の採用が増えている。このような加工を行ううえで切削工具には、要求される加工精度を満たしつつ、これまで以上に高い生産性、そして環境にやさしいエコな加工実現を求められている。効率の良い加工は工作機械の負荷低減、省エネ、使用する切削油量の低減につながる。本稿では細穴加工の分野において、環境負荷の低減に寄与する、高精度加工による不良品削減と高能率加工による加工時間削減を両立させた新製品「TRISTARドリルシリーズ DVASミニサイズ」(以下、小径DVAS)について紹介する。

機械技術(2021年 6月号)掲載

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