高能率アルミニウム合金正面削りカッタFMAXの開発
作山 徹(Toru Sakuyama)
1.はじめに
地球環境保護のため、自動車の環境性能改善が求められており、最近では、電気自動車、燃料電池車など、環境負荷の非常に小さな自動車が話題に上ることが多い。さらに、ハイブリッド車を含む内燃機関を主動力源とする自動車においても、環境性能の向上策として、車両の小排気量化・小型化・軽量化による高効率・低燃費化が進んできているのは周知の事実である。
車両の小型化・軽量化のために多くの取り組みがなされているが、代表的なものとして、部品自身を小さく、あるいは薄くすることや、部品の材質をより軽量なものに変更することなどがあげられる。その具体例としては、ボディに用いられる鋼板を、より強度に優れる高張力鋼板の薄板への変更や、エンジン・駆動・足回り部品では、鋼製あるいは鋳鉄製部品のアルミ合金製部品への置き換えなどがあげられる。
本稿では、今後ますます増加すると予想されるアルミ合金製自動車部品の超高能率加工用正面削りカッタFMAXについて紹介する。
機械技術(2017年 10月号)掲載